またもビックモーターに不正行為発覚!について考察してみた

 

ビックモーターが今年の5月にFRYDAYに不正行為を暴露させられ、その後6月に不正車検を行った工場として指定工場の指定取り消しが行われました。

 

不正車検が表に出て、これで行政処分も受けたからビックモーターの話題は終わりかと思いましたが、さらにとんでもない修理費用の改ざん事実が発覚しました。

 

非常に恐ろしい実態なのでこの手の悪行を知る限り暴露したいと思います。

 

 

これは自動車車体整備業界を震撼させるできことであり、他人事と思っていない鈑金工場もあるのではないでしょうか。

 

自動車鈑金で修理を行う際、車両保険を使用するとオーナーの懐は痛くありません。(ただし、翌年の保険料が上がるという事実はあります。)

 

つまり、保険で修理を依頼する場合、修理費用は保険会社が支払うわけですが、ここに悪徳業者につけ入るスキがあります。

 

今回、ビックモーターの不正水増し請求は、修理しなくてもよい部分を修理して費用を水増し請求とありますが、実際は修理せずに修理していたことが正しい情報だと思います。

 

その理由として、もし修理しなくてもよいところを実際に修理した費用を請求していたのでは、コストの問題からビックモーターにうまみがありません。

 

ではどういうことなのかというと、実際は10万円で修理できる板金修理を、もっと壊れていたように見せかけて、修理費用を詐取していたと考えるのが妥当でしょう。

 

実は、このようなことはもう数十年前から横行していました。小さい鈑金修理工場ではあまりなかったことですが、中堅クラスになると、水増し請求はかなりやっていたと聞いています。しかも、今も多くの工場でやっているのではないでしょうか。

 

 

では、その方法はというと、本来事故車修理に保険を使用するとアジャスターと呼ばれる事故車修理費用を算出するプロが整備工場にやってきます。

 

最初はすべての修理にアジャスターが来ますが、ある程度鈑金工場に実績と信頼が出てくると、5万円以下の修理にはアジャスターは来なくなりました。(現在は変更あるかもしれません)

 

そして、鈑金修理するクルマは必ず写真を撮ります。アジャスターは壊れた部分の肝となる部分の写真を撮り、修理費用を現車確認しながら算出します。これは今でも変わっていないはずです。

 

そして昭和の時代では、ある程度実績があり、保険使用の修理が多数あると写真見積もりと呼ばれる方法がとられていました。

 

これは、事故車を工場側で写真を撮り、それに見積書を添付して保険会社に送付します。それをもとに修理費用が保険会社から鈑金工場に振り込まれる仕組みです。

 

これを長年やっていると、多くの写真が鈑金工場に溜まります。さらに同じ車種で同じボディカラーのクルマも数多く入庫するようになっているので、事故を起こした車両と程度は違っても、同じような方向から衝突したクルマも入庫するようになります。

 

ココが問題点の一つで、悪意がある工場は写真をすり替えて見積もりを提出して、本来より多額の修理費用を得ていました。これは昭和時代によく聞いた話です。

 

そして平成になるとデジカメが発達し、さらに市場の50%以上のシェアを誇る鈑金見積もりソフトが登場し、そのソフトに対する信頼が保険会社の絶対的なものとなっていました。

 

そのため、その会社の見積もりソフトを使用していると、何十万円修理費用が掛かっても、アジャスターは来ませんでした。つまり、工場側の言い値で修理費用が払われます。

 

そのシステムの概要は私が知っている限り、電話回線を使用して専用ソフトと保険会社をつなげているものでした。

 

そのため、事故車の見積もりが完成すると、専用回線で見積書と写真を送付すればそれで終了となる保険会社が多くあり、ここにも悪意があると間違いなく不正があったはずです。

 

 

多くの方というより、鈑金修理費用と保険会社の関係を知る人でなければ、まったくわからない不正行為であり、しかも本来不正修理を無くすアジャスターも全く機能しない方法で修理費用が支払わる実態があります。

 

このような実態を知ってしまえば、ビックモーターのように悪い事を考えるといくらでも保険会社に水増し請求が可能で、しかも一般の人にはばれることなく売り上げを伸ばすことが可能です。

 

つまり、これはビックモーターに限った保険会社に対する水増し請求ではないという事であり、多くの自動車鈑金工場でこのニュースにびくついている可能性があると感じています。

 

このような不正行為を無くす為には、アジャスターとのナアナアの中にならないよう、定期的にアジャスターの担当を変えるべきであり、さらに写真見積もりでアジャスターが工場に出向かなくてもよいという制度は無くすべきでしょう。