4月から中古車価格が暴落している?!その真相とは

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000048393.html

 

昨今、中古車価格が高騰しており、中古車が新車価格を上回るなんて話もありました。それが4月に入るとなぜか中古車価格が安くなっています。

 

大手中古車サイトを巡回すれば、少し前と価格の様相が違うことに気が付くはずです。そこで今回は、中古車の暴落が起きている理由について探ってみました。

 

まず、基本として新車価格より中古車価格が高いことは間違っているということを念頭に置いておかなければなりません。それなのに、新車価格を上回る値段で販売されていた中古車が多くありました。

 

例えば、人気車種のヴェルファイアハリアーといった人気車種は軒並み新車価格を上回る価格で中古車として売られていた時期がありました。

 

引用:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Semiconductor-1.jpg

 

その理由は皆さんもご承知の通り半導体不足とコロナ禍による生産体制が落ちたことでしょう。つまり、中古車というのは、需要と供給の上に成り立ったシステムなので、欲しい人が多ければ中古車価格は高くなり、少なくなれば安くなるということです。

 

それで今回の状況を見ると、中古車として流通するタマが極端に少なくなりました。

 

というのも新車納車が間に合わないので、中古車として流通するクルマが減少してしまったのです。

 

さらに、新車がすぐに手に入らないことから中古車に流れるユーザーも増えたことから、中古車需要が極端に高まり、多くの車種で相場を押し上げていました。

 

それが最近になって、半導体供給が良くなってきたことや、コロナ禍が落ちついて工場稼働率が上がったことにより、新車納期が次第に元に戻りつつあります。

 

これにより中古車購入の需要が落ちてきたことや新車が回り始め中古車として買い取られるクルマが増えたことで中古車価格が暴落してきたといえます。

 

それでは、今後どのように中古車価格が推移していくか予想すると、間違いなく元の相場感に戻っていきます。さらに、日本車は海外でも人気があるので、海外へ多くの中古車が輸出されています。

 

しかし、海外輸出には、それぞれの国の輸出規制があります。中でもマレーシアは新車登録から1年以上5年未満のクルマしか輸入できません。

 

つまり、新車登録して6年目となるクルマは中古車として買い付けされないのです。しかもマレーシアは、日本車が非常によく売れる国なので、中古車市場にとって良い貿易相手国となっています。

 

しかしかつてハリアーショックと呼ばれる大暴落が2018年末にありました。

 

引用:https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/21777239.html

 

このハリアーショックは、60系前期ハリアーが登場から5年を迎えるときに起きた現象で、マレーシア輸出が止まったことで中古車相場を押し下げた現象です。

 

さらにマレーシアは、東南アジアの中でも石油、天然ガス、パーム油、スズなどを産出する資源国として有名で、ロシアとウクライナ戦争で資源が高騰したことから好景気に沸きました。

 

そこでマレーシアの富裕層が日本の中古車を買い求めていたことから、ウクライナ戦争が始まってしばらくは好調に輸出されていました。

 

しかし、2023年度の見通しはコロナの経済対策もなくなり、資源価格も正常化に向かっていることから、マレーシアから日本の中古車を購入するバイヤーが減ってしまいました。

 

このようないくつもの要因が重なって中古車価格は決まってきますが、現在は次第に正常な状態に戻っているということです。

 

では、いつが中古車の買い時かと言えば、今いったん底値を打っているのではないかと思われます。

 

通常中古車価格は、ゴールデンウィークを過ぎると次第に上昇に転じます。それはレジャーがひと段落して次はクルマ購入に目を向ける人が多いからです。

 

そのため、6月にかけては少し価格が持ち直すものと思われます。とはいっても、新車がコンスタントに納車されるようになれば、それほど大きく高騰することはないでしょう。

 

中古車の適正価格というのは、昔から新車登録から1年目で10%下落が平均値です。そしてその後も10%ずつ下落していくイメージです。

 

数字で例にすると次のようになります。

 

【300万円の新車の場合】

  • 1年後 300万円-10%=270万円
  • 2年後 270万円-10%=243万円
  • 3年後 243万円-10%=218.7万円

 

このような感じで値下がりしていくのが平均的な相場です。そこで、欲しいクルマがあるならば、この式に当てはめればおおよその相場がわかるはずですから、高すぎるならもう少し待つというのも一つの方法と言えるでしょう。

 

そして忘れてはならないのが中古車のリセールバリューの条件です。クルマは車種の人気度のほかにボディカラーや装備品でリセールバリューが変わってきます。

 

ボディカラーで言えば白や黒は高く推移し、装備はサンルーフ、本革シート、そして各メーカーの純正エアロが高評価になっています。

 

そして、リセールにあまり関係ないものが、サイドバイザーやフロアマット、そして最近多いコーティングです。

 

ただしコーティングは、プラス査定になりませんが、クルマの状態を維持させるためにはプラスになるオプションです。つまりマイナス査定を取られないということです。

 

このようなことから、中古車相場が元に戻りつつある今、購入する側にとってはかなり良い状態になってきたといえるでしょう。そして売る側にとっては、少し残念ですが期待以上の金額で売却は今後難しいといえるでしょう。