最近メディアを賑わせているBYDやEV車について考えてみた
引用:https://byd.co.jp/news/2022_1205_98.html
昨今、中国のEV車の勢いが止まらないのは誰もが知っている通りだと思います。今年1月には日本にBYDが初上陸して一部メディアでも取り上げられています。
先日も、上海モーターショーでEV車が大きな盛り上がりを見せ、中でもBYDのクルマが日本のメディアでも取り上げられました。
かつて、中国が作るクルマと言えば、パクリ車がほとんどでした。有名なところではZotye という中国メーカーが作ったSR9はポルシェマカンそっくりで、世界中からある意味注目を集めていました。
引用:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:BYD_M6_2010.jpg
パクリの文化は、クルマだけでなく様々な分野に及んでいることもすでにご承知の通りなので、クルマがパクられても、それほど驚きではないといってもよいでしょう。
そして、今回考察するBYDにもM6というエスティマそっくりな車種がかつて存在しました。
すこしM6について解説すると、3代目エスティマにそっくりです。フロントから見るとエンブレムを差し替えたと思うくらい似ており、さらにサイドもドア下部のプレスラインに至るまでそっくりです。ここまで似ていると、金型を盗用されたと思うしかないです。
そんなBYDがエスティマそっくりさんを発売したのは、2010年頃でした。
ちょうどBYDが電気自動車販売を拡大し始めた時期です。そして、現在はあのテスラと並ぶEV車のシェアを誇っていますが、普通に考えてパクリをしていた自動車メーカーがここまで躍進するには何か裏があります。
まず、M6の発表会にあのビルゲイツとウォーレンバフェットが登壇してBYDに投資することを約束していました。その裏にはもちろん、BYDの優れたリチウムイオン電池やIT技術があったからです。
つまり、BYDが現在ここまで躍進しているのは、世界の富豪である2人の投資があったからと言えるでしょう。
ではBYDのクルマは安全なのかという疑問ですが、普通に考えるとかなり危険と言わざるを得ないでしょう。よく動画サイトに中国のクルマや電動バイクが燃えていますが、中にはBYDのクルマも交じっています。
さらに、日本は世界でも厳しい安全基準を設けているので、それをパスしなければ国内導入はかなり難しいといえます。そのため、中国車を日本国内で見ることは非常にまれです。
しかし、世界にむけてBYDは躍進しており、特にタイに工場を新設するなど、ASEAN市場を見据えた戦略も見えます。
とはいうものの、日産サクラが登場すると、トヨタがBYDと提携するなど、BYDから目が離せないのが現状と言えるでしょう。
では、今後日本でBYDのクルマが多く走るかと言えば、それはかなり難しいといえるのではないでしょうか。
現在置かれている地政学的リスクも考えると、国民が中国に抱く感情はあまりよくありません。もちろんクルマは全く別という意見もありますが、そこは中国が作るクルマです。あのハーウェイのように、なにが仕込まれているかわかりません。
では、今後EV車が世界中で普及するのか考えてみます。
基本的にクルマという乗り物は、燃料で走るわけなので、必ず燃料補給が必要です。今まではガソリンや軽油の給油に数分で済みましたが、EV車の充電時間というと、数十分かかります。
この充電時間がEV車普及のカギの一つと言えるでしょう。もし、充電時間が燃料給油と同じ数分で満充電まで持ってこられるようになれば、かなり変わってくると思われます。
さらにもう一つ。この充電時間の長さが、電欠時に大きな負担になるでしょう。暑い夏に周りに何もないところで電欠になったら、暑さをしのぐのにとても苦労することでしょう。さらに冬場は、寒さで命の危険にさえさらされます。
このように、EV車の普及は課題が山積なのではないかと考えられます。
引用:https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/topics/2023/group/20230413
そんな中、面白い装置がアメリカ、シリコンバレーのスタートアップ、Hydrogen On Demand Technologiesが開発しました。それは、水から電気分解して水素を抽出するというものです。
装置は、ディーゼルエンジンに使用するもので、ディーゼル燃料に水素を混ぜて燃費効率を上げるというものです。従来は、高圧水素タンクや水素ステーションが必要でしたが、水さえ手に入れば水素を生成できる画期的な装置です。
すでに日本でも住友商事が販売代理店をつとめており、国内外で実証実験を行っています。今後、開発が進めば、燃料電池車の水素燃料にも使えるのではないでしょうか。そうなれば、EV車は必要なくなると考えられます。
現在、中国ではBYDをはじめとした企業がEV車開発にしのぎを削っていますが、EV車の弱点である充電時間の長さを改善できない今、EV車は次のクルマのつなぎとしか言えないでしょう。
というわけで、現在クルマ業界にとってEV車は腰掛程度であり、次のステップとして、水素で走るクルマにシフトしていくと考えられます。つまり、トヨタが登場させているMIRAIはかなり先を行ったクルマであり、近い将来、FCEV(燃料電池車)が世の中のトレンドになる予感がします。
BYDは現在とても元気な自動車メーカーですが、日本で爆発的にヒットすることはないと考えています。