トヨタカムリが生産終了!セダン人気低迷で国内からセダンが消える理由

参照元https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/34692730.html

 

2023年4月10日にトヨタは4ドアセダンのカムリの生産を終了すると発表しました。セダン低迷の日本国内でカムリは頑張ってきましたが、ついにカムリも国内から姿を消す時が来ました。

 

これから日本の自動車はどんな形に向かっていくのか考えてみました。

 

参照元https://global.toyota/jp/mobility/toyota-brand/gallery/camry.html

 

トヨタカムリは、1980年に初代が登場しているので、すでに43年という長い歴史を持つクルマです。カムリは、昭和時代に中堅セダンとして多くの方たちに親しまれ、兄弟車カリーナとともに販売された人気車種です。

 

当時を知る方にとって、カムリはマークⅡ3兄弟の格下といったイメージもありますが、カムリの作りこみの良さは、乗ったことがある人にとって格下なんてとんでもないと思うはずです。

 

特にFF車のセダンとして登場したので、車内の広さは半端なく、クラウンより広いといわれたほどなので、車内の快適性は凄いといえます。

 

また、快適性を求めて国内ではハイブリッド専用車として販売されていたので、静粛性も非常に高く、乗り心地は高級車そのものでした。

 

しかし、国内で人気の車種はSUVです。背が高くて車内が広く荷物もたくさん載せられるクルマがもてはやされています。

 

たしかに、クルマを使うには実用性が高いほうが良いのは当たり前です。

 

日々の買い物だけでなく、レジャーとしても使い勝手が良いクルマがいいに決まっているでしょう。さらに昨今のアウトドアブームも手伝って、悪路走行もある程度こなせるクルマの作りがSUV人気を後押ししているといえます。

 

つまり、SUVにはセダンにはない、荷物の積み下ろしのしやすさと見晴らしのよさ、そして悪路走破性が兼ね備えられており、現在のユーザーの嗜好性にあったクルマがSUVということとなるでしょう。

 

とはいっても、高級輸入車メルセデスベンツBMWといった自動車メーカーは、セダンを販売し、国内でも多く売れています。

 

その差を考えるとやはり選ぶ理由の差ではないでしょうか。4ドアセダンでメルセデスベンツとカムリを比べたら、欲しい人はメルセデスベンツに流れるでしょう。

 

とはいっても、車格は下がりますがカローラセダンがあるので、上質な乗り心地の国産高級車カムリが姿を消すのはやはり解せません。

 

カムリの立ち位置を考えた時に、現行モデルの車体本体価格は349.5万円から468.2万円もします。実際、ここまでの費用を出すなら、やっぱりはやりのSUVに目が映るのも無理はないかもしれないでしょう。さらに、若い家族ならミニバンを購入の選択肢に入れてしまうとも考えられます。

 

では、カムリが家族で使用するには不便かといえば、そんなことは全くありません。4枚ドアの使い勝手の良さは誰もが認めるはずです。

 

しかも後席はホイールベースも長いので、かなり余裕の車内空間が提供されており、乗っていて窮屈さを感じることはみじんもありません。

 

トランクもゴルフバック3個も収納できる広さを持っているので、家族4人で2泊程度の旅行も難なくこなせる広さを持っています。

 

でも、国内でセダンはどうも売れていません。それは日本人特有の「右へならえ」が関係しているのではないでしょうか。古くから日本人はほかの人と同じことをしていると安心感がある文化が根付いています。最近では「空気よめ」がいい例です。

 

つまり、周りと同調する文化が強い日本では、ミニバンが流行るとメディアで取り上げられると、みんなミニバン購入に走り、SUVの人気が止まらないと宣伝されると、次に購入するのはSUVになってしまっているのが原因ではないでしょうか。

 

この状況は、ほかの国から見るとかなり特殊で、今回のセダンを見ても他の国でカムリの生産が止まる話はどこにもありません。つまり、日本の文化で皆がSUVに目が向いてしまっている状況では、国内でカムリをこれ以上販売しても無理があるとトヨタは判断したのでしょう。

 

しかも、かつてより価格が高くなったカムリは、高級セダンのクラウンの受け皿になることも難しくなっています。

 

参照元https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/39070872.html

 

それでは、これから日本の自動車嗜好はどうなるのか考えてみると、しばらくはSUVブームで落ち着くと考えられます。その証拠に、あのクラウンでさえSUVを登場させたのがいい例でしょう。

 

しかも、SUVの利便性と走行性能はかなり優秀なので、ほかの車種でこの牙城を崩すのはかなり難しいといえるでしょう。

 

とはいっても、昔からファッションはループしています。昔はやったデザインやファッションが数十年の時を経て蘇っているのを目にします。これと同じように、クルマもこれから先、新しいセダンの形となって戻ってこないとも言い切れません。

 

ここでまた、名車が消えていくわけですが、海外では継続して販売されているので、今後セダン人気が上むようなことがあれば、国内にカムリが戻ってくるかもしれません。

 

セダンを愛する人は少なからず国内にもいますから、高級輸入車に負けない魅力を持ち、SUVに負けない利便性を装備して、リーズナブルな価格で登場すればもしかすれば人気が復活するかもしれません。